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大切な器を、長く使い続けるために


器の上手な扱い方 八か条

一、陶磁器は使い始めにもケアを

器を購入したら、まず高台を確認しましょう。多くはきちんと処理されていますが、なかにはざらつきが
残っている場合があります。テーブルや折敷を傷つけるので、目の細かいサンドペーパーで
なめらかに磨きましょう。また、釉薬を掛けない焼締の器や粉引、萩焼といった軟質の陶器類は
吸収性があるので、そのまま使い始めると料理の汁気や油分などがしみ込んでしまいます。
使い始める前に、米のとぎ汁で煮沸するのがおすすめです。
粘度のあるとぎ汁が土の粒子と粒子の間に入り込んで隙間を埋めてくれるので、汚れがしみ込み
にくくなります。

二、陶器(土もの)は、使う前にみずを含ませる

「土もの」といわれる陶器は、日常で使うちきにも、料理を盛る前に水かごくぬるい湯につけて十分に
水を含ませ、軽く拭いてから使いましょう。醤油やだし、油がしみ込みにくくなり、しみやにおいを防ぐ
ことができます。特に汚れやすいのは、表面に貫入と呼ばれるひびが入っているもの、表面に小さな
穴があいているもの、粉引、志野、萩焼などです。また備前焼のように無釉の焼締は、霧吹きで霧を
吹いてぬらしたり、さっと水にくぐらせてから使います。ただし、一般に白い器は最初からある程度
汚れることを承知のうえで購入を。陶器でも黒、茶、緑色のものは、比較的汚れが目立ちません。

三、土ものを使った後は早めに洗い、十分に乾燥を

器を洗った後、陶器の場合は水気がしみ込んでいるので、とりわけ念入りに乾燥させましょう。
湿気を帯びたまま食器棚に収納すると、梅雨どきなどはカビの原因にもなります。最後に熱湯に
通すと早く乾燥させることができ、カビの予防にもなります。また、汚れがたまったり茶渋がついた急須
や湯のみなどには、台所用の漂白剤を。色絵や金彩、銀彩が施されたものは色落ちすることが
あるのでさけましょう。

四、絵付けによっては、洗い方に注意!

絵付けには大別して、釉薬を掛けた上に柄を描く上絵付けと、釉薬の下に描く下絵付けがあります。
染付のように下絵付けの場合は絵が釉薬でカバーされてうるので問題ありませんが、上絵付けの
場合はむき出し状態です。洗うときは、たわしは厳禁。スポンジでなるべくゴシゴシこすらないように。
とりわけ金彩、銀彩は強くこすると絵がはがれることがあります。また、金銀彩のものは電子レンジの
使用を避けましょう。

五、日常使いの器は、同サイズを5~6枚重ねて収納

日々の食事でよく使う食器は、茶碗、取り皿、鉢というふうに、種類別に大きさと形の同じものを
5~6枚重ねて食器棚などに収納します。ただし陶器は土が柔らかく割れやすいので、器と器の間に
柔らかい紙を挟むとよいでしょう。上絵付けや金彩、銀彩が施されたものも同様です。一方、普段
それほど頻繁に使わない大皿や鉢などは、もんで柔らかくした和紙や木綿の布などで包んで収納
します。来客用のおもてなしの器や行事用の器などは和紙で包んで箱にいれ、湿気が少なく
直射日光が当たらない場所に保管を。箱に、収納した器の絵や写真を貼っておくと取り出すときに
便利です。

六、人気の土鍋は、洗いすぎないように

土鍋は初めて使うときに、おかゆを炊くとよいでしょう。おかゆが土の粒子と粒子の隙間の目止めに
なって、だしや醤油がしみ込まず、汚れがつきにくくなります。使用後はあまりゴシゴシ洗いすぎない
ようにし、目止めをのこしておくようにします。汚れを残せばカビになりますが、普段使いの土鍋なら
それほど神経質に洗うことはありません。注意したいのは、土鍋はぬれたままで火にかけると、
穴に入っていた水が膨張して割れることがあること。十分に乾かしてから使うようにしましょう。

七、漆器は使ったら、すぐに洗って拭き上げる

漆器を使うとき、最も気をつけたいのが電子レンジ、食器洗い、乾燥機は厳禁だということ。急激な
温度や湿度の変化に耐えられず、木地も漆も傷んでしまいます。また、日の当たるところに放置すると
日焼けや変色を起こすので、これも注意です。
洗い方は神経質にならなくとも大丈夫ですが、ナイロンたわしや研磨剤の入ったクレンザーは傷が
つくので絶対に使わないこと。台所用の中性洗剤を薄めて使うか、洗剤を使わずぬるま湯だけでも
汚れが落ちます。漆器だけまず先に洗い、糊のついていないふきんでよく拭き、さらに柔らかい布で
から拭きします。

八、収納するときは、漆器と陶器は重ねずに

漆器は使い込むほど艶が出て美しくなり、味わいが出てきます。しまい込まず、食器棚の取り出し
やすいところにおいてつかいましょう。収納するときは、漆器どうしを重ね、間にキッチンペーパー
などを挟むと傷防止になります。また漆器と陶磁器とを重ねると傷がつきやすいので、避けましょう。
来客用の漆器も重ねたままで2~3年放置すると、変色して色の層ができることも。冷暖房の影響を
受けない部屋の、床に近い低い場所におきましょう。そしてときどき重ねる順を変え、月に一度程度、
洗って拭いてあげるのがベターです。

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